家族の顔見て話そう 南砺市 高齢者宅にテレビ電話/富山

2011年03月06日 中日新聞

 山間部の高齢者世帯などにテレビ電話端末を設置し、生活に必要な情報やサービスを提供する南砺市の「そくさいネット『ふれiTV』整備事業」の発表会が7日、同市寺家新屋敷のア・ミューホールで開かれた。

 同市は広大な山間部を抱える上に過疎化も深刻で、地域社会から孤立しがちな高齢者世帯の生活支援が課題となっている。この事業では、65歳以上の高齢者が半数以上を占める五箇山地区の限界集落など310世帯にテレビ電話端末を設置。4月から本格的な運用を始め、端末を置く世帯をさらに増やしていく方針。

 自宅で相手の顔を見て会話できることから、遠方の家族とのコミュニケーションや、定期的な安否確認、地域情報の提供、買い物サービスなど、さまざまな生活支援が期待されている。端末は高齢者の利用に特化したシンプルな設計で、インターネット電話サービス「スカイプ」を活用する。

 発表会には約150人が出席。田中幹夫市長が「毎日の見守り、都会の家族とのつながり。そういった道具として使ってほしい」とあいさつ。事業のサポートセンターを運営するケーブルテレビ会社や、端末を開発した金沢市のシステム開発会社などの代表者が、事業の意義や今後の展開について説明した。

 会場には事業で使用するテレビ電話端末の体験コーナーが設けられ、出席者が手に取って操作したり、実際に会話したりした。 (河郷丈史)