見守りロボ、来年1月デビュー NECのクラウド連携型「パペロ」

2013年11月12日サンケイビズ

 NECは11日、インターネット上で情報をやり取りするクラウドと連携したロボットサービスについて、全国の地元企業などと協力し、来年1月から順次スタートすると発表した。NECが15年かけて開発してきたロボット技術がいよいよ実用化に踏み出す。クラウドとの連携は初めてで、高齢者の見守りや子供の学習、店舗宣伝用など幅広い分野で活躍が期待される。

 NECが開発したクラウド連携型ロボットプラットホームは、家庭向けに小型化した見守りロボット「PaPeRo petit(パペロ プティ)」と、さまざまなアプリケーションを提供するためのクラウド基盤から構成される。

 パペロ プティは身長24センチ、体重1.3キロ。従来のテスト機と比べて半分のサイズに小型化し、家庭や店舗など身近な生活空間になじむように工夫した。クラウド側へ機能を移すことでロボット本体に組み込む機能を厳選でき、コストダウンにつなげた。

 具体的なサービスとして、高齢者や子供を対象にした見守りを想定。高齢者の通院や子供の習い事などのスケジュールを管理し、声をかけたり、何か異常があった場合はクラウドを経由して契約者に知らせる仕組み。子供の学習相手や、店舗や施設での商品案内などのサービスも可能だ。

 またNECは、クラウド連携型ロボットプラットホームをもとに、サービスを提供するパートナー制度を新設、11日からパートナーの募集を始めた。アプリ開発を行う「アプリケーションパートナー」と、セキュリティー、住宅、医療、公共などさまざまな分野に向けてロボット活用サービスを提供する「ビジネスパートナー」の2種類。

 NECは沖縄県の企業などと連携し来年1月からロボットサービスを展開する。これを機に順次、新しいパートナーとビジネスを開発する。サービス単体価格は月1万円以下に抑えたいとしている。今後3年間で100億円規模の事業に育成する考え。