長谷工コミュニティ あんしん見守りサービス ボタン通報器で高齢者支援

2015年5月14日SankeiBiz

 長谷工コミュニティは、高齢者向けサービス「長谷工あんしん見守りサービス」を開始した。当面のサービスエリアは首都圏と関西圏で、順次範囲を拡大していく方針。3年で600世帯への導入を目指す。

 サービスの適用を受けられるのは両圏に住む高齢者で、見守る側の親族は、どこに住んでいても活用できる仕組みだ。サービスの前提条件は、親族もしくは高齢者のいずれかが長谷工コミュニティが管理するマンションに入居していることとなる。

 マンション管理会社の間では見守りサービスを導入する動きが相次いでいる。ただ、警備会社などと提携した上で提供するのが一般的な流れ。「管理会社が主体的なサービスを行うのは今回が初めて」(長谷工コミュニティの下田育弘・商品開発部長)だという。

 新サービスでは見守られる側の自宅の中で、リビングダイニングなど長く滞在する場所に人感センサーを設置。室内の動きを感知し、専用ウェブサイトにグラフで表示する仕組みのため、見守る方はパソコンやスマートフォンで日々の様子を確認できる。一定時間動きがない場合は、電話で安否を確認する。

 ボタン通報器には3つの機能を備えている。そのひとつが売り物である「あいさつ通知サービス」だ。

 見守りサービスを利用する家族間の動向をみると、お互いのコミュニケーションは一般的に良好。それでも電話をかける際には、何となく遠慮する心理が働きがちだ。

 こうした中、あいさつ通知サービスを活用すると、ボタンを押せば見守る方へメールが届くので、挨拶代わりや「電話がほしい」といったメッセージの代わりになる。

 ごようききサービスでは、見守られる方の日常生活をサポートする。ボタンを押すと長谷工コミュニティのオペレーターが用件を伺い、ハウスクリーニングや家事代行など生活支援サービスの手配を行う。緊急通報サービスでは、安否が確認できないなどの事態に直面した場合、受信センターが代行して救急車の出動要請を行う。

 また、見守る方に人感センサーの活動状況などを報告するメール配信サービス機能も備えているため、下田部長は「今までにない安心感を与えることができる」と語る。

 長谷工コミュニティでは約25万戸のマンションを管理している。今回のサービスのターゲットとなる世帯数は多いとみられるが、あえて慎重な計画を策定した。見守る側の要請だけに従うのではなく、高齢者の自宅を訪問してサービスの趣旨をきちんと説明し納得してもらうという受注体制を徹底化。必然的に訪問件数が限られてくるのが理由だ。(伊藤俊祐)