タブレットで高齢者の安否確認 秋田・湯沢市が実験

2016年8月10日日経新聞


 秋田県湯沢市は高齢者世帯にタブレット端末を配って安否確認をする実験を始めた。同市内は高齢化が進み、今後は高齢者の単身世帯が増えるとみられる。市は来年3月末まで実験し、本格運用の可否を検討する。

 実験は1日から市内の雄勝地域で始めた。平均年齢が80歳前後という高齢者世帯と民生委員に計83台のタブレット端末を配布した。毎朝と昼に市から情報を配信し、利用者がそれを読むためなどに端末を操作したかが市側で確認できる仕組み。

 24時間操作が無いと、市から個別にメッセージが送られ、それでも24時間反応がなければ自宅に電話をかけるなどして安否を確認する。

 端末は社会福祉協議会に相談できる機能があり、災害の発生などで自宅の電話が使えなくても市役所と連絡を取れる。自治体が配布する同種端末では珍しく、乗り合いタクシーをワンタッチで予約できる機能も付けた。

 同市長寿福祉課の担当者は「高齢者の大半はタブレットに触れるのが初めてで、どれだけ慣れて使ってもらえるかがポイントだ」と話す。同市の人口は7月末時点で4万7379人で、75歳以上が20%を占めている。